進学を考えている中学生必見!高専に入って失敗したと思う事

福井高専を卒業して10年強。卒業、大学進学、大学院進学、就職と経験を得て高専入って失敗したなぁと思う事を紹介していきます。

実体験(高専生活+その後)と客観的な側面から高専(世間一般的な)を比べつつ、がっつりと紹介していきます。

実際に知っておくと高専進学への絶望や踏ん切りがつくと思うので、参考にしてみてください。

そもそも高専って?

中学校卒業後に入学できる5年制の学校です。

ちょっと変わった学科がある商船高等専門学校等もありますが、基本工業系の学科がそろっています。

工業系の学校のため、勉強する学科は理数系の学科になります。

また、工作機械での実習や鋳造、溶接など大学ではほとんど触れることのない実地も存在します。

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高専に入って1ヶ月ってすぐに気づく失敗

まず入ってことですが、理数系のレベルの高さと理数系科目の多さに愕然とします。

他の進学校等にいっても同様ですが、中学レベルの勉強から高校レベルの勉強では差は歴然。

中学レベルの勉強はお遊びだったのかと疑うほどレベルがあがります。

そして、高専のカリキュラムの半分近くをしめる数学と物理。まじで難しい。

正直な話、だまされた、さぎに近いと感じました。

というのも、理数系科目が多いことはわかっていたので問題なかったのですが、勉強のレベルがここまで上がるのは想定外でした。

ぶっちゃけ、中学校の理数系科目が得意だったなんてなんの役にもたちません。

理数系が得意だったから高専を選んだ場合は絶望します。

入って1ヶ月・・・勉強のレベルの高さになんで高専に入ったのかと苦悩します(笑)

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高専に入って2~3年ここで気づく失敗

高専に入って2~3年。他の進学校に進んだ同級生たちは受験だ勉強だとあけくれる中、高専生はレポートだ、プログラミングだ、製図だなど受験勉強以外のことにあけくれます。

まわりの受験生からは受験がなくていいと思われていますが、実際そんないいものではありません。

確かに受験をしないため、身体的・精神的な負担も少なく楽です。

しかし、進路を3年に狭めた高専生と進学校の生徒では今後選べる選択肢が圧倒的に高専生の方が少ない

進学校の生徒>>>高専生

この構図は確実です。そのため3年次から工学系の道を離れようとしても正直厳しい。

というか普通の人にはまず無理です。実際に入試をうけても勉強量が全く足りていないので、センター試験や高校受験の本番で点数をとれません。

特に地理、歴史は二けたの点数をとるのもままならないです。

それくらい高専では一般的な教科は切り捨てています。

2~3年生のころに理系の道から文系への道も模索する人がいますが、あとの祭り。どうにもなりません。

そして、なぜ中学生のときに進学校に進まなかったのかと再び苦悩します。

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高専5年生!就職か進学(編入)に潜む罠・失敗

中学校ではある程度成績の上位者だった高専生。

腐っても高専生、就職か進学どちらも選ぶことが可能。就職率もほぼ100%で、就職に困ることはありません。また、進学においても国公立への進学は比較的簡単です。

進学希望の97%が無事進学していることでもあきらかですし、進学先のリストを見れば納得できると思います。

高専 進学率

高専から編入学状況

http://www.kosen-k.go.jp/outline4.html

というのもこれにはいくつかからくりがあるためです。

からくり1.本当に学力がない人は留年・退学しています

入学当初クラスにいた人数は40人卒業する段階では30人をきることはよくあること。

同学年の物質系学科では卒業時に20人強しかいなくなっていたなんてことも。

入学当初は半分にいた友人も留年・退学する人が多いため、後ろからトップ5に入っていたという笑えない状況に。

平成26年 入学定員数

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/067/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/06/24/1358990_03.pdf

また、全国的なデータで見ても応募人数10600人のところ8700人程度になっており、約20%ほど留年・退学しています。

結果として、ある程度実力が備わっている学生のみが残っているので、進学がスムーズに進みます。結果進学率が高い数値になります。

からくり2.給料がリーズナブルでコストパフォーマンスが良好

企業からの目線で考えた場合、高専生はお得です。

工学系の高校生と比べた場合

高校受験の際に高専生の方が偏差値が圧倒的に高いという現実があります。

そのため、企業から見た場合、工業高校に比べ高い理解力があると判断します。

また、高専生の採用枠は工場のライン現場ではなく、設備の保全や設計といった、現場よりの管理部門が多い。

そのため、高校生の採用枠と被らないので就職の競合はおきません。

工業系の短大生と比べた場合

年齢は20才と同じ短大生と比べると、専門分野の学習時間が圧倒的に高専の方が長いため、専門的知識・実力も上と判断される。

高専=短大卒と同じ扱いのため、給料は同額扱いになり、高専生の方が使えると判断され、重宝されます。

大学生(旧帝大等難関大学)と比べた場合

年齢も若く、大卒に比べると給料が安くすむというメリットがあります。

また、専門分野の勉強量も同程度の実力があると判断され、給料(コスト)の分だけ、採用しやすい現状があります。

よって、高卒、短大卒、大学卒に比べ、高専卒はそれぞれに比べメリットがあり、就職率が高くなります。

また、一般的に大卒採用が現在の基本となっているので、大学生に比べ高専生は給料がリーズナブルでコストパフォーマンスが良好といえます。

からくり3.専攻科という名の進学先

5年生の進学先の一つに専攻科という進学先が存在します。

これは高専5年の付属みたいな感覚といってよいでしょう。

いうなれば、中高一貫教育に近いものがあります。

学生目線で考えれば、高専の延長上にあるため、勉強を無駄なくできるという特徴があります。

先生や他の学生も良く知っているので、気を遣うことは少なくてすむというメリットがあります。

また、外部試験ではないのでテストが簡単です(ちなみに数学のテストが30点くらいしかなくても受かりました)。

進学希望の進学率底上げのからくりのひとつといえるでしょう。

さらに就職の面を考えた場合、企業の立場からみると微妙な扱いになります。

企業目線では専攻科生=年を取った高専生という判断が強いというのが現状。

企業の判断基準は大学生かどうか?が基準になってくるので、専攻科生が卒業しても最終学歴は〇〇高専のため評価されにくいのが一般的。

よって最終的には高専卒という枠組みで判断される可能性があります。

さらにいえば、大学卒業の学士という資格を得られても、企業がどう判断するかはわからないというのが現状といえます。

専攻科卒をどのような待遇にするかは企業次第、買いたたかれる可能性もあるので要注意です。

社会人になってわかる高専卒の実情

よくも悪くもレッテルが付いてきます。高専のネームバリューはよくて地方大学と同程度のレベルの扱い。・・・・その程度です。

進学の際に大学と同じ実力がつけられます等などの文言で進学を後押ししますが、これも問題です。

というのも、個人の能力が高かろうが、低かろうが高専卒は高専卒です。ポイントは大学卒であるかどうかですので、実力がどうとかは別問題です。

極端な話、全国一位の高専生でも全国最下位の大学生でも扱いとしては全国最下位の大学生でもスタート時の待遇は上になります。

また、結婚相談所等のマッチングにおいても学歴等で高専生と大学生は明確に分けられます。このように実力ではなく、肩書が重要な部分が多数存在するのが現実です。

実力主義という言い方で社会は人を雇いますが、スタートラインは明確に違います。世間は甘くないというのを痛感させられます。

しかし、ある意味特殊な枠で入社できると割り切れば、自分よりレベルの高い大学(難関大学)と違い競争相手が少ない(短大や専門学校との闘いがメイン)。よって、入ってから勝負ができるというポジティブな一面もあります。

高専で留年・退学になる人

高専入学と卒業どちらが学力的に難しいと聞かれたら圧倒的に前者と答えます。

卒業ができないひとは勉強の分野の能力ではなく、自律できていない人になります。

そもそも、高専のカリキュラムを見てもふるいにかけるようなカリキュラムになっていません。

テストの点数が足りなくても、再テストやレポート提出(課題提出)による救済措置があります。

毎日授業にでて課題をこなしていれば基本的に卒業できるのが高専です。

自由な校風の裏返しとして、自律できない人には厳しい環境になっています。

バイトのやりすぎで学校をさぼるようになったり、遊びが忙しいからといってレポートを出さなくなると途端に留年する可能性が倍増します。

大学と違い、高専には担任がいるので、休みが多くなると連絡がきたり、様々なフォローが入る場合があります。

また、先生も持ち上がりで面倒を見てくれ、親身になって対応してくれます。

よっぽどのことがなければ留年・退学になる可能性は低いです。

ただし、こういうタイプはきをつけましょう。

  • テスト期間中に遊び惚けていた人
  • 宿題を全くやらなかった人

最終的にはバイト三昧になり落ちるのが、高専の定番コースですw

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高専生になるべき人

1.なぜ高専生に入るかが明確になっている人。

これが一番重要です。自由な校風、理系が好き・得意だからなどというあいまいな理由で高専に入ることはお勧めしません。

自由な校風は大学にいけばもっと自由です。理系が好き・得意だから・・・中学レベルの理系のレベルは正直参考になりません。

高専生は中学時点で、将来の選択の幅を狭めることを前提で専門知識を学びます。途中で、理系科目が嫌いになったり、不得意になることも考えられます。専門分野の道は入るのは簡単ですが、進路変更は多大な負荷がかかるのでしっかりしたゴール設定が重要になります。

例えば

  • 経済的な理由で大学進学が難しく、〇〇の機械の設計者になりたい!
  • 〇〇社に入って、世界をまたにかけるエンジニアになりたい!

このように明確な理由がある人はお勧めでしょう。

2.中学時点で偏差値70以下である人

偏差値が70以上の人は東大や阪大などの難関大学に入れる可能性があります。

高専からの編入学は比較的容易ですが、難関大学への入学は厳しいのが現状です。

中学時点で偏差値70以上の人は進学校から難関大学を狙えるポジションにいるので高専に無理してはいる必要はありません。

逆に高専にギリギリで入った人は他の人の勉強量に比べ圧倒的に少なく国立大学にいけます。

3.自律できる人・自主性のある人

どこにいっても同じことがいえますが、自分をコントロールできる、自主性のある人は必須です。

進学校の勉強は大学に合格する受験勉強です。それに対して高専の勉強は優秀なエンジニアになるための勉強になります。

前者は受験がゴールになりますが、後者はゴールが存在しません。優秀なエンジニアになるにはいくら勉強をしても、終わりはきません。

生涯を通しての勉強になるため、自分から主体的に動く必要があります。

まとめ

高専に関わらず専門の道に進もうと考えている人は将来のことを今一度考えましょう。

特に中学生は将来についてまわりの友達は考えていない場合が多々あります。

周りのみんなと違う道を進むにあたって、みんなより将来を考える時間をとって考えましょう。

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